建築士を通して建てる家はハードルが高いのか?
住宅ローンのめどがついて、次に探したのは建築士。むろん同時並行の時期もあったし、工務店なども見て回った。
私たちも、最初は建築士に依頼して家を建てるのはハードルが高いと思っていた。しかし、果たしてそうなのか、そこからいろいろと調べていった。調べていくと、相当高額な設計料をとる高名な建築家ももちろんいるが、だいたいは建築費の10%、トータルコストが低い場合は15%位を設計料にしている建築士が多いことがわかった。たとえば、2,000万円の物件なら200万円。高い人だと300万円といった感じ。3,000万円の物件なら300万円が設計料。この金額を高いと考えるか、安いと考えるかだ。
私たちはこの金額はかけるべき当然の金額で、むしろ、適正な値段で建築を行なう上でケチってはいけないコストだと考えた。建築士は、建築基準法に基づいて設計をするのみならず、建て主の要望を形にしていく仕事。もちろん、大工さんとの円滑なコミュニケーションも欠かせない人間力が物をいう仕事だと思う。設計だけでなく、正しく建てられているかを確認し、コストの管理もしてくれるのだ。
私たちもこの人だ!という建築家に出会えたその結果、素晴らしい大工さんや左官さんや職人さんにも出会えた。もちろん建て主と建築士も人間同士なので、相性の問題も大きい。この人とうちはうまくいかないと思っても別の人とはうまくいく場合もある。 ようは、自分たちの思いを理解してくれて、この人なら安心、信頼できる、という相性の良い人を探すことが大切なのだ。
最近は、そういう建築士との橋渡しのようなことをしてくれる団体もあり、いくつか話を聞きに行ったこともある。しかし結局私たちはインターネットで自分たちのコンセプトに合いそうな建築士を自分で探し、連絡をとった。お話を聞いた建築士さんの何人かが言っていたが、登録していてもほとんど紹介ってないらしい。出会いはコーディネートしてもらうものではないのかもしれない。
自分たちに合った建築士を探す
今は便利な時代で、建築事務所がホームページを持っていることが大半だ。ホームページをみれば、どういう建築をめざしている人なのかはだいたいは理解できる。たくさん見れば見るほど、目も肥えてくる。実際会うとイメージが違うと思う、ということもたまにはあるがそれも仕方ないことと諦めて、根気よく探すしかない。
我が家は幸いにして5人目ぐらいで「この人なら!この人にぜひお願いしたい!」という人に出会うことができた。その前にお会いした建築士さんも素晴らしい方たちで、お話を少し進めた方もいた。みな志を持っている方々でした。そういう中で、私たちの思いや理想を一番理解して実現してくれそうだと思えたのはストゥディオ・プラナの林美樹さんだったので、土地探しに何ヶ所も同行してもらうところから、打ち合わせが進められていった。建築が終わっても、その時の感触が間違っていなかったことをしみじみ感じている。それもこれも、そこに至るまで何年もかけて色んなことを見たり、調べたり、考えたりしていたからだと思う。
家作りは年月をかけるべし
家作りは、資金が用意できてスタートというわけではないと思う。資金的には今すぐには実現するのは難しいという人でも、色んな物件を見てまわったり、色んな人の話を聞いておくことは決して無駄ではない。主人は独身の頃から一人でぷらっとマンションギャラリーや戸建て住宅を見に行っていたらしい。ふたりでも分譲住宅やマンションギャラリーに行って、担当者の言葉にむっとして喧嘩したり、いろいろありました。どこに行ってもそんなに変わらないね、というのが最後の結論。そのうちに、自分がどういう家に住みたいかもはっきりしてくるだろうし、収集した知識や経験は土地探しにも設計をお願いする段階でもいきてくるというもの。
何事も夢を持って、歩き回り、人と出会う事からがスタートですね。伝統構法と土壁の我が家、この家も新しい出会いと夢へ私たちを運んでくれるでしょう。
次回は、一級建築士 林美樹さんとの実際の面談についてレポートします。