測る→刻む→張る 床板張り作業も大変

【伝統建築現場レポート】床板張り① 2014年7月3日


雇い実接ぎで板をつなぐ

梁の部分で板をつないで張っていきます。2階のホコリが1階に落ちたりするような隙間は一カ所もありません。とても丁寧な家造りです。

梁の上に引いてある罫書き線にあわせて板を張っていきます。小口に見えるのが雇い実のくぼみ、短い板にも同じくぼみが……。
ふたつのくぼみが合わさって、四角い穴が開きます。ここに雇い実を差し込みます。これが雇い実接ぎです。
この平たい棒が雇い実。ふたつの板をくっつけて、隙間を埋めてしまいます。
トントントンと叩いて差し込んでいきます。全部で何本差し込んだのかは、完成した時に数えてみようと思います。
拍子木のようなこの棒、至る所でつかわれてます。なんて言う名前なのか、聞いたのですが、メモをなくしたので、こんどまた書きます。
こうして雇い実がすべての接合部分に入れられているので、単に板が並べられているのではなく、部屋中が一枚の板としてつながっているのです。無垢材ですから、乾燥して間があいたり、湿気でたわんだりありますが、このおかげでその心配も少ないと思います。
いま住んでる部屋の大家さん、何かといえば電気ドリルや、電動ドライバーが登場するDIY好き。同じく僕もすぐに使いたがります。あっという間にネジが締められるのはとても楽ですね。電気ドリルはDIY好きにはたまりません。大工さんももちろん必需品です。
接合部もそうでないところも梁の部分は2本ずつ木ネジでとめてます。しっかりと床が暴れないようにしています。安心ですね。素人仕事とプロの違いは、木ネジは絶対に見えないようにというこだわりが……(施主の依頼で取り外しをする必要があるところは見えてしまいます)。

丁寧な仕事で、すぐに養生板を張ってくださっているので、張り終わった床面は撮影できていません。多分、お掃除とワックスがけの時に撮影できます。その時をお楽しみに。

次回は「細かな作業の階段上がり框」、安心で安全な階段周りの細工をご紹介します。