我が家の顔(おでこかなぁ?)である妻壁は、下地として塗ったモルタルの上に、中塗りとして8mmぐらいの厚みで砂漆喰を塗っています。本来モルタルと漆喰は接着性が弱く、砂を含んだ砂漆喰がモルタルと漆喰の間を取り持つために塗られます。
モルタルに含んだ砂と砂漆喰の砂が仲よく、砂漆喰の漆喰と本漆喰の漆喰が同じ素材なので、これまた仲よく、喧嘩しやすいモルタルと本漆喰を砂漆喰が仲を取り持つらしいのです。
ちまたで仲よし三人組のご婦人方を見てると、他の二人それぞれと仲の良いご婦人と、二人だけなら喧嘩するご婦人方がいたりしません?そんなものらしいです。そのため、手間であっても三層必要なのだそうです。合計我が家の妻壁の左官仕事は18mmぐらいの厚みです。
助手として作業をしてくれた達弥さんによると、外壁で硬押えをする所なんて最近の現場ではほとんど無い。ということでした。
本漆喰硬押え
《本漆喰硬押え》都倉達弥さんの映像
若いとはいえ、ヨーロッパに教えにいくほどの腕。江原さんの指示を的確につかんで、美しい本漆喰を仕上げていきます。この日の鏝は江原さんの物。本当に使いやすいらしく、いい鏝だって何度も言ってました。硬押えに使う鏝自体も伝統的な職人さんが作った物。ここでも職人さんの引退、継承できないという問題が続いているそうです。達弥さんもなんとか掘り出し物を探したいと話してました。
《本漆喰硬押え》江原親方の映像
大きく足を開いて、壁一面を一気に押さえつけていく江原さんの技術。横で見ていても歌舞伎役者の動きのようにかっこ良い。「よっ左官屋!」って、叫んでみれば良かった!
現場で撮影して気がついたのはすばらしい職人さんの動きは美しいということです。動きに理由付けがある、型があるのですね。都倉棟梁の動きを見てても、同じ発見の連続。どこかで紹介します。
前に掲載したチリ拭きの時の刷毛の水切りの音もやはり水分量の調節のためとのこと。場合によっては叩く回数を減らしたりするそうです。
やっと、本漆喰の妻壁のレポートが終わりました。次回からは大工仕事の紹介です。遅れの幅がどんどん広がっていってるので、少しペースを上げて頑張ります。
次回は『外壁工事前に窓枠とサッシの工事』です。おたのしみに。