手ぬぐいって良いな
「手ぬぐいって良いな。」と思うきっかけになったのは、我が家の建築をお願いしている建築家、林さんのオフィス“ストゥディオ・プラナ”でのことでした。そちらのお手洗いにさりげなくかけてあったのが日本手ぬぐい。とても肌触りがよくて、目からウロコでした。
西洋タオルは日本手ぬぐいに比べると分厚くて吸水力も高い分、何人かが使うとびっしょり濡れてしまい、なかなか乾きません。しかし、日本手ぬぐいは薄いので、風が通る窓際などにかけておくと乾きが早くて気持ちよく使えることに気づきました。
今まで、どうしてこの良さに気づかなかったのだろうと、箪笥に眠っていた頂き物のてぬぐいをひっぱり出して、早速使うことにしました。
日本の知恵がつまった機能性
よくよく考えてみると時代劇などで女性が野良仕事や掃除をする際に頭にかぶっているのも日本手ぬぐい。埃よけ、日焼け除けなど多目的に使われていたのですね。建築中の我が家を担当してくださっている左官さんも頭に手ぬぐいをかぶっておられます。見る度に柄も違って、おしゃれです。
また、大工の棟梁がご近所への挨拶に配られたのも日本手ぬぐいでした。手ぬぐいはかさばらないので、バッグに一枚しのばせて置くと何かと便利ですし、非常時には包帯がわりにもなるそうです。とにかく丈夫で、洗濯を繰り返しても平気。
洗濯した後、パンパンっと叩いてまっすぐに干せば、それほど皺にはなりませんし、どんな速乾タオルよりも早く乾きます。速乾性などと機能をうたわなくても、元からその機能が備わっている。
手ぬぐい、恐るべし、です。昔の人の知恵ってすごいですね。
柄の豊富さもユニーク
そしてもうひとつの手ぬぐいの特徴は、柄の豊富さではないでしょうか。着物と同じ位、無限に柄が染められるし、季節感が出せます。古典柄、モダン柄と様々です。最近はインテリア用に額縁に入れて飾る人も多くなり、手ぬぐい専門のお店もみられるようになりました。どんなに高価なものでも千円前後で買えるものが多く、何枚あっても邪魔にならないものなので、ちょっとしたお土産などにも喜ばれると思います(私のように、長い間その良さに気づいていない人も多いかもしれませんね)。和の伝統柄や古典柄などは、外国の方へのお土産にも最適じゃないでしょうか。
使ってよし、集めてよし、贈ってよし。この手ぬぐいの良さ、もう一度見直してみませんか。日本でもいつの間にか西洋タオルが主流になってしまいましたが、そのことがちょっと残念に思う位、素敵な日本の必需品です。