和食が世界遺産に登録されました。いま、和食の基本の出だ汁しが世界の一流シェフの間に広まっています。「うま味」と「出汁」が世界語になりつつあるそうです。
ついでに紹介すると「お弁当」と「おにぎり」も世界語になっていっています。Umami, Dashi, Obento, Onigiriです。
日本の家庭に受け継がれてきた世界遺産“和食”
ニュースなどでは勘違いされて報道される時も多いのですが、料亭などの日本料理が世界遺産になったのではなく、家庭料理も含めて季節や素材を活かし、自然を尊重する日本の伝統的な料理のあり方が認められたのです。この和食の伝統を学び直したいというのが、あさりおんを創刊した動機の一つなのです。
和食の基本、一番出汁にも様々なひき方があります。料理家それぞれで違うほどです。料理研究家の極端な人は「料亭ではないのだから家庭では一番出汁。二番出汁と分ける必要がない。」という人もいます。しかし、家庭であっても基本である一番出汁と二番出汁をきちんと引けた方が料理に幅も深みがでます。基本をきちんと理解した上で、時間がない時は昆布と鰹を一度に煮て出汁を取ったりと、臨機応変に考えると手早く出汁をひく事が出来ます。
子どもだからこそ分かる本物の味!
そして何よりも一番出汁で作るお吸い物ほど、さまざまな主菜を引き立て、食する人をほっとさせるお吸い物は無いと言えます。以前、料理教室で子供たちに顆粒出汁と比べてもらった事があります。子供たちが美味しいと言ったのは一番出汁でした。子供だからこそ、良い物を見分ける力があるのです。好き嫌いの多い子がきちんとお出汁を取った料理は美味しいと喜んで食べるのです。
次ページへうま味をしっかり引き出す一番出しのひき方
一番出汁をひく時、昆こん布ぶと鰹かつおの選び方も大切です。細かな事は次の機会に紹介します。まずは新鮮な鰹節と利尻か日高の昆布でひいて見てください。手軽に美味しい一番出汁がひけるはずです。この一番出汁なら、ほんの少しの薄口醤油と塩だけで美味しいお吸い物ができます。また、茶碗蒸しなども顆粒だしとは比べ物にならない程、上品な味に仕上がります。それほどの時間はかかりません。時間のある時にまとめて引いておいて、冷蔵庫で保存(3〜4日保存可能)しておけば、それほど苦にはならないです。
今回のレシピはわたしが行なっている二つのひき方の一つです。このレシピでひいた一番出汁は昆布のうま味がしっかり引き出された豊かな味わいの一番出汁です。普段の家庭料理に向いています。
あさりおんのレシピでは温度計を良く使います。長年の経験でプロは温度を目や音などで把握できますが、主婦は毎日違う料理をするので、なかなかそれが身に付きません。なので温度計を使うレシピを紹介しています。使いやすい温度計を一つ購入されるととても便利です。