【第三話】夏は暑くて嫌い

夏の想い出

　そういえば、家の外の小屋の中で寝てると隣となりにネコさんたちが潜もぐり込こんできて、冬はいいんだけど夏は暑いから、しょうがないから僕は外に出て寝ようと思うんだけど、なんだか落おち着つかない。だから僕、小屋の中に頭だけ突っ込んで寝てたんだ。すやすや寝てると、後うしろでガタガタ音おとがするから、何かな？って見上げてみると、ネコさんがお家うちの引ひき戸どの窓まどを開あけけて、中に入っていったんだ。おばあちゃんたち、ネコさんのために毎まい晩ばんカギ閉しめないでいてあげたみたい。僕、しめた！って思って、僕も一いっ緒しょについていって、冷つめたくなってる板いたの間まの上うえで寝るの。夏の板の間って、冷つめたくて気き持もちいいよねぇ！

　板の間の隣の部へ屋やでおばあちゃんが眠ねむってて、すやすや気持ち良よさそうな寝ね息いきが聞こえてるから、僕も安あん心しんして寝てたんだ。この頃、おばあちゃん、具ぐ合あいが良よくなくて、時ときたま入にゅう院いんしてて、僕心しん配ぱいしてたんだ。おじちゃんとおばあちゃん、僕の事かわいがってくれて、孫まどのミユが遊びに来たとき、ミユより僕をかわいがってるって怒ってたよ。

ミユのご飯はんより僕のご飯

　ミユが夕ゆう方がた、冷れい蔵ぞう庫この中を見た時、おいしそうなマグロのお刺さし身みがあったのに、夜食べようとしたら、もう無なかったって怒おこってたみたい。実はそのマグロは僕の晩ばんご飯にお爺じいさんが買ってくれてたのだから、僕のお口にお爺さんがポンポンって、入れてくれて、とっても美お味いしく食べました。マグロもエビもお肉にくも僕大好き！いつもお爺さんが美味しいものをたくさんくれたから、僕美味しいものよく分かるの……。

　あ、オムレツも僕大好きですよ。朝ご飯、美味しいよ。ちゃんと言っておかないと、今のお父さんひがむから……。

　ミユはそれを聞いて、孫よりも犬コロの方が大事なんだって愕がく然ぜんとしたっていってたけど、額然ってどういう意味？犬の僕には難むずしすぎて分かりません。でも、ミユも僕の事かわいがってくれて、上しゃん海はいから遊あそびにくると、散さん歩ぽに連つれて行ってくれた。