仕事に、会社に疲れたら、森に行きたくなる本。

『週末、森で』益田ミリ

週末、森で
週末、森で

 森っていいな!

我が家は森が好きである。飼い犬も含めて、海も好きだが森が好きである。でも、東京から森に行くのは遠すぎるので、石神井公園、舎人公園など都立の大きな公園に出かけて行っては森気分を味わう。ちょっとがんばって小金井公園もおすすめ。
「週末、森で」の主人公はそんな訳で引っ越したのだろう……。

無印で何気なく手に取ってみた。

この本を手にとったのは本屋ではなく無印良品のおススメ本コーナー。何気なく手にとって中をみたら、小説ではなく4コマ漫画。でも、形式は4コマ漫画でも、4コマでおちがつくわけではなく、ただ4コマで話が続いていくストーリー漫画です。蛭子さんほどでは酷くはありませんが、下手うま系かな。味のある優しい絵。主人公も主な登場人物も、ターゲットになる読者も働く女性です。

あこがれの田舎暮らし

お話は、田舎暮しをはじめた翻訳家の早川さんのところに、週末毎に訪ねてくる友人のマユミちゃんとせっちゃん。彼女たちがおしゃべりしながら、てくてく森を歩くという実にゆる〜い話。会社に勤めたことがある人なら誰もが経験するリアルな現実と日常生活での悩みが、森を歩く3人の会話の中で展開されていきます。これがまた平凡でありふれた日常会話だから、余計に共感してしまう。都会で生きるマユミちゃんとせっちゃんの悩みに対し、早川さんが森で発する言葉には自然な説得力があり、図らずも彼女たちの悩み解決の糸口になっていくというお話。おしつけがましく聞こえないのは、早川さんが都会との接点を完全に断ち切っていないから。あまり現世からかけ離れた生活をしていると、悩みを聞いてもらってもなかなか参考にならない、というのがよくありますよね。

3人の会話を聞いていると「そうそう!そうなのよね〜」という共感が知らず知らずのうちにわいてきて、自分も3人と一緒に森を歩いている気分になってくるのは、やはり著者がOLを経験し、彼女たちと同じ目線でこの本を書いているから。

ナカナカの一冊です

この作者、なかなかやるなぁ〜と思ったら、実は映画「すーちゃん、まいこさん、さわこさん」の原作者だったことがわかりました。なるほど。そして気がついたら、この人の本を6冊も読んでました。それ位、好きな人には中毒性があるかもしれません。特に「かもめ食堂」のような映画の世界が好きな女性にはたまらないかも。

あっ、でも、女性しか気に入らないってわけではありません。おもしろがって読んでた男性もいましたしね。

「ぼくの事?」
読む?と言われてあとから読み始めて先に6巻読み終わった!
はまります!  by 編集者。

森に行きたくなったら……。

森に行こうかなぁ、森暮らししたいなぁ!会社生活しんどいなぁ〜と思った時にパラパラとめくってみると、悩みを聞いてくれる友人が出来たような、そんな気持ちになれる本です。


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