【22世紀の古民家建設プロジェクト】がいよいよスタート。土壁と伝統構法による住宅建設が始まりました。古民家と呼ばれるためには約1世紀の年月がかかります。一軒一軒の家造りが残したい家、受け継ぎたい家として建てるところから古民家が生まれるとあさりおんは考えます。土と藁と竹、東京の木など豊かな自然の恵みをふんだんに活かした家造り。自然と人にやさしい家、あさりおんのテーマ“食と住まいと仲間たち”が形になっていきます。
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一軒の家が出来上がるまでをリアルタイムでレポートしていきます。
第一回は⑦棟上げ準備の天端均し
【天端均し】
基礎の立ち上がりの上面の“天端”をモルタルで左官仕上げ。手間がかかり、小さなこの家でも一日作業。多くの新築現場では手軽に塗って済ませられる素材が出来たのでほとんど見かけなくなった作業。「この方が水平が正確だから……」と左官の江原さん。随所にこだわって丁寧な作業。
【半人足(半人前)】
左官の親方のもと、若い衆がU字型の針金で枠を挟んでいきます。基礎の立ち上がりに引いてある水平の墨線を基準に枠をきちんと水平に設置していきます。
今日の若い衆は何と棟梁(^^);
さすが二人の息が合ってて、次々と天端均しが進みます。
枠を挟んでいる針金は半人足(半人前)と言うそうです。左官の親方のもと、半人前の若い衆が行う作業から来ているそうです。左官さんは半人足、大工さんは半人前と呼ぶ。ちなみに水平のことを左官用語で“陸”といい、きちんと陸(水平)が出ていない若い衆のことを「この陸でなしがぁ」と呼んだことから『ろくでなし』と言う言葉が生まれました。
左官の江原さん
土壁の小舞編みから壁土塗りはもちろん全ての左官仕上げはこの腕でおこなわれます。この投稿のネタ元でもあります。ありがとうございます。
【1000本に一つのオス竹】
江原さん提供のネタをもう一つ。この写真は竹の一番下の節のところのアップです。節の穴のところに小さなヒゲがあるのが見えます。雄竹と言って、1000本に1本ぐらいしか見つからない貴重な物です。このヒゲのある雄竹で尺八を作るとすごく響きがいい高級品が出来るそうです。小舞編みの竹を仕入れる問屋さんにいただいて来たもの。
【足場組み】
天端均しにあわせて木工時の足場造りも。いよいよ来週には棟上げ。家の形が出来てきます。楽しみです。
※第一回は、アサリオン創刊時点のリアルタイムレポートをお届けしました。近日中にここまでのレポートも掲載いたします。次のページに天端均しのスローモーションをアップしました。手の動きがきれいです。
【天端均し】スローモーション
左官さんの手の動きがきれい。職人さんの技をスローモーションで撮影してみました。パパッと手早い右手の動きと無駄の無い左手のサポート。パソコン使いにはあこがれの手の動きです。