まんまる散歩で近々書こうと池袋を散策中、見つけたお風呂屋さんです。山手線に架かっている橋を渡ったら、こんな銭湯が今もあるのが池袋なんですよね。古材が積まれているので、古材を使う薪のお風呂屋さんなんですね。薪のお風呂はお湯がやらかい感じで、大好きです。
ふと見ると積み上げられた材木、家を壊した廃材の柱ですね。薪のお風呂って気持ちいいんですよね。でも、考えてみるとまだまだ住まえそうな家の柱ばかり、もったいないですね。
無垢材の端材は燃やせる!
さらに良く見ると、この薪はすべて古材の無垢材です。集成材は一つも無いようです。集成材は燃やすとダイオキシンが出るので、お風呂屋さんでは薪として使えないのです。
我が家の建築現場で出る端材や鉋屑、使えそうな物は僕の日曜大工用にとっておいてもらってるのですが、それ以外は新居の側の銭湯に引き取ってもらってます。無垢材の端材は燃やせるので、お風呂屋さんも喜ぶそうです。だから古材をこうして集めてるのですね。
棟梁、現場で工事を始める前に銭湯を探すようです。今回の現場は、近くに良い銭湯とその隣においしい手打ちのおそば屋を見つけたようですよ。
産業廃棄物になる集成材
きちんと建てられた家の柱は薪にも出来るし、他の利用法もあります。しかし集成材の柱は薪にも出来ないのです。集成材や構造用合板は強力なボンドを使って張り付けてあります。中にはボンドというか、樹脂で端材や木切れをスライスして固めたような合板もあります。それをエコウッドと言って売っているのです。このボンドを燃やすと有害なガスを発生し、埋めても分解されずに環境を破壊します。
また、火災などでは有毒ガスを発生するので家自体は防火対策のおかげで無事でも、中の人間は亡くなる場合が今の火災現場の現状なのです。人を殺す防火対策、本末転倒では……?。確かに燃えないので延焼は防げます。
お風呂屋さんの薪もそのうち無くなるのかぁ!ってことは無いですかね?でも、今の最新の木造建築物は薪として燃やすことも出来ない素材で建てられてることが、こんな所にも影響しているのですね。建てる時はコストダウンできても、処分する時に環境負荷がありすぎて、処分費がかさむ家を建てているのです。
パソコンだって廃棄の環境負荷を気にかけて作られる時代、こんな大きな建物を何も考えずに造って良いのだろうか?とお風呂屋さんの薪を見て考えてしまいました。
伝統構法の家が壊されている
あさりおんの写真はクリックすると写真が拡大します。右の写真をよく見てください。柱の側面に長方形の穴がいくつもあけてあるものがあります。これ、貫を通すほぞ穴です。つまりこの古材の柱の中には伝統構法で建てられた家のものも含まれているのです。腕の良い大工さんが建てた家、文化的価値のありそうな家かもしれないのです。
お風呂屋さんを責める訳ではないです。廃材を有効に利用してくださっているのですから……。しかし百年は持つ家が数十年で薪になっているのは、とても残念ですね。本当にもうダメだろうって朽ち果てた家があちこちに残っているのに、建て直すお金のある資産家が価値のある古民家レベルの家を壊している時代なのかも知れませんね。
薪のお風呂好きだし、薪に古材を使うのもしょうがない、でももったいない。どうしたらいいだろ?もう少しきちんとしたシステムを考えなきゃいけない時代なんでしょうね。そして薪にも出来ない家を建て続けてる今の日本の建築事情はもっと悲しい……。
なんだか分からない結末になってしまいました。読まれた皆さん、それぞれ考えてくださいね。で、みんなで良い途を探りましょう。
次回は建築レポート「あこがれの屋根裏ロフトと仕切り壁のこだわり」です。素敵な屋根裏部屋をお楽しみに!