間仕切り壁はすべて杉板張り

【伝統建築現場レポート】杉板張りの間仕切り壁 2014年7月17〜19日


杉板張りもトントンと

無垢材を使った壁作りは、とても大変です。今の家のように合板をバチバチ!と張って、壁紙を張って終わりでなく、一枚一枚の杉板を採寸しては刻んで張っていきます。手間のかかる作業です。材料は木材だけ。

間仕切り壁、中はがら〜ん!予算の都合で板壁に。どんなふうになるのかなぁ?可能な限り無垢材でとお願いしたので、ほんとは予算を考えるとこれでも無理なお願いをしているのかも。すみません……。
予備室の壁です。我が家で塞がった空間はトイレと浴室だけ。他の間仕切りは窓がどこかに。大工さんに手間かけてます。閉じたかったら、カーテンでもすれば良い。引きこもることが出来ない家をと考えてお願いしました。
久々に登場、棟梁の義理の弟さんの中尾さん。大工として修行を積んだあと、伝統構法をもう一度学びたいとお兄さんの棟梁に弟子入り。師匠として本当に尊敬しているのがよく分かります。壁の高さを測るのに使っているのは、ばか尺(確か、こう聞きました。ほんとにいいのかなぁ?バカ定規だったかも。ひとまず尺で。あとでもう一度大工さんに確認します)です。張る場所ごとにこうして当てて、長さを測って行きます。
上と下をあわせて、張り付ける部分の板長さを実物で決めます。2本の細い材木です。実は張っている板の端っこを細く切ったもの。本実接ぎのオスとメスを組み合わせて、その場所の長さを実際のものに置き換えて合わせるので正確です。
切断した板を一枚ずつ張っていきます。無垢材ですから、一度でピッタリ入る時ばかりではありません。少し入りが悪い時はちゃんと調整して張り付けていきます。
伝統構法だからって、新しい道具を使わない訳ではないのですね。エアーガンで留めて一枚出来上がり。
中尾さんの真剣な表情をパチり。大工さんは皆さん、仕事中は真剣な表情です。僕もそんな顔してマックの前に座ってるのか、心配になってしまします。
棟梁と設計の林さんが何やら打ち合わせ。なんだったのかは忘れました。壁を挟んでなので、電気をどうするか?って話しですかね?電気って、ほんと面倒なんです。電気無しの生活に戻りたい!ってたまに思うほどです。照明機器やインターホンをどれにするか、未だに悩んでいるものもあります。
こうして張っていって、出来上がった壁がこちら。予算の都合で土壁を諦めてではありましたが、こうして出来上がってみると、こちらにして良かったぁ!って思います。我が家はワンフロアワンルームのような雰囲気が欲しかったので、こちらがあってます。前ページで説明した我が家のコンセプトにピッタリなのです。

次回はキッチンの工事です。実はキッチンは施主・設計士・大工そろって不満がある問題が……。お楽しみに。あ、喧嘩が始まってる訳ではなく、そろって同じことが不満なんです。「防火仕様でプラスターボードのキッチン壁」