妻壁の下地作り【Ⅱ】 左官仕事編①

【伝統建築現場レポート】本漆喰の妻壁② 2014年5月27日


左官の江原親方と今日から現場に入った若い衆で漆喰を塗るためのモルタルの下塗り。下地からきちんときれいな仕上げ。ありがとうございます。

左官仕事スタート

見慣れぬ若い衆が!どこかで見たハンサム君。江原さんの助手として妻壁を塗ってくれる若い左官さんです。どこかで会ったことあるなぁってまだ写真撮りながら悩んでおりました。
前日、棟梁と良治さんが作った下地板に防水紙と金網を張って下地作り。これを見ながら、漆喰の色白か黄色みのある白かどちらにします?と言われ、黒はダメ?って聞いた施主。黒は白っぽくなるんですって。ということで親方のすすめもあって真っ白の壁に決定。出来上がりは次の次に掲載します。
防水紙と金網を張ったので、もう下地終わりかな?って思ってたら、何かメジャーで測ってる。何かするの?
もう一枚金網を上に張るための寸法チェックでした。
「網は2重にするんです。その方がしっかり漆喰を支えるから丈夫になるんですよ」って江原さん、マスキングテープもばっちりでいよいよ下地完成。
真ん中から塗るのかな?って思うのは素人の浅はかさ。最初に塗り始めたのは尾垂の底。半人足で定規を固定して丁寧にまず底を塗り始めました。

下地のモルタル塗り

大きなこてと小さな鏝を使い分けて、モルタルを塗っていきます。いつも笑顔の江原さんもこの時ばかりは真剣な顔。職人さんて、いい顔してるなって、ファインダーからいつも感心しております。

あ、撮影してるLumix GF6にはファインダーがなく、液晶でした!ファインダー付きのGX7にすれば良かったなぁ!いいカメラなんだけど、これだけは失敗!ま、あさりおんの画像が格段にアップしたから、とてもきれいに撮れるいいカメラなんですけどね!

実は弟がこのLumixに関わっているので、都倉家の兄弟に触発されて前川家の兄としても弟応援しよかなとLUMIXを2台紹介します。


建築写真を撮りやすい、広角の14mmがメーカーのダブルレンズセット等で購入可のGF6。単品よりお安いので入門にはおすすめ。OLさん向けの可愛いデザイン。あさりおん編集部でも使ってます。

職人さんなどお仕事に使われる方にはボディにもオートフォーカス機能がついてるGX7がおすすめ。古いライカのレンズやオリンパスなど他社のレンズでもAFが使えるので写真の幅が広がります。レンズキットは20ミリの少し広角気味の標準レンズ。パンケーキサイズで人や建物を撮るのにおすすめですね。デザインも職人さんぽいでしょ。

尾垂の底のモルタル塗り映像

真剣な顔の江原さんがモルタルを塗ってる映像を少しだけ。ワンワン吠えてるのは近所の子どもが遊びにきて興奮している“まる”。トントントンは同時進行中の大工工事。浴室のブロック積み職人さんと私たち施主作業。総勢7人、この日はとてもにぎやかな現場でした。

なんだか下の方でも塗ってる人となめてる犬が……。実はこの日も施主作業中。あとで紹介しますが、今日は外壁の中の垂木に保護剤を塗っています。写真を撮ってるとき以外は二人で作業。すべて塗り終えるのはいつになるやら!梅雨が恨めしい!
通りすがりの人に吠える番犬をしつけるために、まるは家内の足下に。吠えるたびにダメって叱って、吠えるのやめたら頭を撫でるの繰り返し中です。少しずつですが、分かってきたかな?
小さな鏝で丁寧な作業。この頃やっと若い衆の正体に気づいてきたカメラマンです。こっそり、良治さんに確認しております。
小さな可愛い鏝。名前を聞いたけど……。忘れました。あとでもう一度、江原さんに聞かなきゃ!
水を吸わせた刷毛でチリを拭いているそうです。こういった細かな作業が丁寧な仕上がりにつながるのでしょうね。刷毛の水をバケツで拭う時の音がとても面白いのですが、この日は撮影に失敗したので、次回、掲載します。
チリ拭きまで終わった真っ平らな尾垂。ここから表裏を塗り、砂漆喰、本漆喰と何度も塗り重ねて行きます。
この日、江原親方と一緒に作業をしていたのは、左官として独立したばかりの都倉達弥さん。
どこかで見かけたと思ったら、吉祥寺の家の小舞編みの日に棟梁から紹介された息子さん。頭の手ぬぐいで印象が違って、しばらく分からなかった。(^^;
前の週に、これまでお世話になっていた会社から独立。左官として独り立ちすることにしたそうです。
なんと、独立初仕事がこの妻壁。思わぬことで兄の良治さんと合作に……。
似た顔が下から見上げてる!と思ったら、お兄さんの良治さん。やはり弟さんの仕事は気になるようで、棟梁も良治さんもちらちら見上げていました。
「僕も独立すること聞かされてなかったんですよ。棟梁は聞いてたみたいですけど。」って良治さん。兄弟ってそんなものかもね。兄弟で一つの家を造り上げられる仕事に就くって、都倉棟梁の子育ての秘訣、いずれ聞き出したいものですね。

黒い妻壁も似合ってるかもと思ったのは棟梁もだそうです。消えるのもったいないと思ってましたけど、あとで、やっぱ白の方で良かったなぁって思った出来上がりは、次の次のレポートまでお待ちください。

次回は、[【伝統建築現場レポート】【本漆喰硬押えの妻壁】の中塗り]

モルタルが塗り終わって、中塗りの砂漆喰塗りの作業です。早めに記事掲載します。しばらくお待ちください。