本番より忙しく大変な荒壁付けの準備

【伝統建築現場レポート】荒壁付けの前準備 2014年5月8日


 GW休み後、沢山の職人さんが荒壁付けに備えて準備中

いよいよ竹小舞があと少しで完成。左官の親方、江原さんを先頭に、都倉棟梁、大工の中尾さん他、電気屋さん、板金屋さんが準備に大忙し。板金屋の親方さんは基礎の空気穴に虫除けを張ってくださり、家中至る所で作業中で、ほんとに忙しい一日でした。まるまで何かしないとあかんと思ったのか、身を乗り出して中を覗いています。

設計士の林さんまで最終チェックに。今、売れっ子の林さん。忙しい中、換気扇が気になって眠れない!とまで……。

みなさん、ありがとうございます。いよいよ翌週は荒壁付けです。

width="300" 壁土の運び込み

土壁作業の中で一番の体力仕事だそうです。これだけ体力使う仕事なのでさぞやせたのでは?と思うと、さにあらず、筋肉ついたのか10kgも体重が増加したそうです。

width="300" 荷台際の一列が一番大変だそうです。パカッとあけちゃうと全部落ちるので、すくってネコ車へ。
この一列が終わると、荷台の扉を開けて、少しは楽に。とは言っても一階と二階の3カ所に山盛りに積み終わるまで一人で運びます。このトラック2回分。ネコ車数十回分。
width="300" 土の中で藁が醗酵し、ケーキの種のような滑らかなやわらかさ。家内は動物園のニオイと言うけど、僕には気持ちのいい草のにおいに感じます。もちろん乾くと感じなくなるそうです。今回は長野のベト屋のお婆ちゃんが丹誠込めて作ってくださった壁土を使っています。
一度訪ねてレポートしたいですね。

width="300"妻壁の小舞掻き

ここだけはワークショップでは無理なので、中尾さんと棟梁が作業。中尾さんは妻壁初めてでチャレンジできるのがとてもうれしそう。親方と棟梁が認めてるだけあって、丁寧な仕事です。

width="300" 反対側は棟梁が掻いています。後ろから紐を取り出し一本一本麻紐で編んでいきます。
「私も初めてなんですよ」と棟梁、えぇぇっ!どういうこと?
実はいつもは江原さんが妻壁に合わせて用意してくれた竹をこうして編んでいるだけなのだそうですが、竹の裁断から棟梁がすべてを施工されるのが初めてだったとのこと。
width="266"数日前にこうして刻んでいたのが、この妻壁部分の竹。丁寧に一本一本はかってくださってました。さすがに技術のある方です。
そういえば、左官さんも金槌持ってるし、お互い研鑽し合ってるのはすごいですね。
width="300"間違えて他のところに使わないように、番号が振られています。妻壁以外のところには振られていません。
width="300" ???なんかいろんなところで皆さん働いてる。僕もなんか手伝いますか?
いえいえ、気持ちだけで十分です(全員)。
width="300" 林さんと電気屋さんは配線をもう一度チェック。荒壁付け後は修正が大変なので、今日中に全部決めてしまおうと、施主もいろいろ決めさせられております。スイッチの高さまですべてオーダーメードです。
width="300" 板金屋さんは親方が基礎に虫除けを張ってくださっています。屋根と床下を守っています。とても強い風の中、屋根の上では板金屋さんの若い衆が仕上げ作業中。気をつけてくださいね。

width="300"美しい外からの竹小舞の眺め

柱や梁、貫と竹小舞がとても美しい外からの眺め。職人さんの業ってとても素敵ですね。見えなくなるのがもったいないけど、土壁が美しいのは彼らが支えているから。思わず擬人化して今います。

width="300" 皆さんが編んでくださった竹小舞。アップにしてもとても美しいです。ありがとうございます。
width="300" 貫の上の竹の曲がりがなんだかセクシー!
レポートが前後しましたが、下準備の大切さを感じいていただいて、荒壁付けのレポートをお届けしたかったので、少し巻き戻しました。このあと「今日で見納め竹小舞」へ続きます。